@techreport{oai:agi.repo.nii.ac.jp:00000282, author = {田村, 一軌 and Tamura, Kazuki and 坂本, 博 and Sakamoto, Hiroshi}, month = {Mar}, note = {令和 2 年 3 月 26 日に那覇空港の第 2 滑走路が供用開始され,令和 7 年 3 月 31 日には福岡空港の第 2 滑走路が供用開始となることが予定されている。また北九州空港においても,令和 2 年度から滑走路延長計画に関する国の調査が開始され,PI(パブリック・インボルブメント)や環境影響評価などが進められている。本研究の主な内容は,このような空港滑走路の拡充および延長が地域経済に及ぼす影響を評価する方法を検討することである。この課題設定は,コロナ禍において航空旅客が減少するなか,航空貨物輸送は堅調に推移しており,滑走路の拡充が航空貨物に与える影響および製造業や流通業を中心とする空港後背圏の地域経済に与える影響を分析することは重要であるとの考え方に基づいている。 第 1 章では 2000 年から 2020 年までの航空貨物輸送の実績データを整理し,日本の空港における貨物輸送の実態を明らかにした。国際貨物と国内貨物それぞれについて,国内空港ごとの取扱量のシェアを整理し,その推移からそれぞれの空港の特徴を考察した。空港別に航空貨物取扱量を整理したところ,北九州空港は他の空港と異なる推移をしていた。すなわち,北九州空港は,2020 年度にその貨物取扱シェアを急拡大しているが,これは,北九州の国際航空貨物空港としてのポテンシャルの高さを表しているといえるだろう。 第 2 章では,『貿易統計』および『航空貨物動態調査』という公的統計を用いて,航空貨物輸送からみた北九州空港の国際貨物輸送および国内貨物輸送のおける後背地の推定を試みた。国際航空貨物に関する『貿易統計』は悉皆調査であるという長所があるものの,貨物の発生・集中地が分からないという短所がある。国内航空貨物に関する『航空貨物動態調査』は,輸送貨物の発生・集中地が分かるものの,2 年に一度,秋の 1 日のみの調査であり網羅性に欠けるという短所がある。本章における検討結果からは,航空貨物輸送から見た北九州空港の後背地は,国際航空貨物輸送・国内航空貨物輸送いずれにおいても,福岡県を中心とした北部九州地域と考えることができる。したがって,今後の北九州空港の空港整備による地域経済への影響を考える際の地理的範囲としては,主に福岡県を考えればよいといえるだろう。ただし,より詳細な影響を分析するためには,例えば市町村単位で空港の後背地を確定させる必要があるかもしれない。 第 3 章では,航空貨物輸送のデータから空港の重要性を客観的に評価する指標として,固有ベクトル中心性指標を提案し,実際の輸送データを用いて指標の数値を計算した。『航空輸送統計調査年報』と『空港管理状況調書』という異なる統計から,国内線と国際線とを統合した航空貨物輸送にかかる OD 行列を作成した。「海外」空港という仮想的な空港をネットワーク中に設定し,構築したネットワークに対して固有ベクトル中心性指標を適用することで,国際線と国内線の航空貨物輸送量から客観的な重要性指標を構築することが可能となった。ただし,この指標が航空貨物ネットワークのどのような特性を抽出しているのかについての考察や,空港周辺地域の社会経済状況との関連性の分析などが不足していると考えられ,これらの点については今後の課題として研究を継続したい。}, title = {空港整備が地域経済に及ぼす効果に関する調査研究}, year = {2022} }