@techreport{oai:agi.repo.nii.ac.jp:00000248, author = {田村, 一軌 and Tamura, Kazuki}, month = {Mar}, note = {地域の人口変動は, 出生と 死亡の差である自然変動と , 転入と 転出の差である社会変動に分解するこ と ができる。 地方の人口減少が解決すべき問題と し て議論さ れているが, 自然増減を人口減少問題から考えるこ と は,すなわち少子化問題・ 低出生率への対策を考えるこ と である。 こ れは長期的な視点を持って取り 組むべき課題出ると 同時に, 地方が独自の努力によって解決する課題であると 同時に, 日本全体の共通目標と し て解決さ れるべき問題でも ある。 一方で,社会増減は転出超過の問題への対策を考えるこ と であり , 自然増減と 比較すれば地方自治体にと って政策の対象と し て関与し やすい問題である。 人口減少への対策の 1 つに, 都市をコ ンパクト にするこ と が挙げられている。 こ れは, 都市をコ ンパク ト にし 人口が減少し ている地域の人口密度を維持するこ と で, 人口減少による様々な影響を緩和し よう と するも のである。 そのよう な観点から は, 都市の地理的な人口分布を把握し ,その推移を観察すること が重要であろう 。 地域内の人口分布は,出生や死亡はもちろん,地域外と の転入出や地域内での転居によって大きく 変化する。 本研究では, 地域内の人口分布を把握する指標と し て「 人口重心」 を採用し , 北九州市におけるその推移を把握する。 国勢調査の小地域統計を用いて, 年齢階級別の人口重心の軌跡を求めた結果, 特に門司区および若松区において人口重心が旧市街地から 離れる方向に移動し ており , 必ずし もコ ンパクト 化し ていると はいえないこ と , コ ーホート 別の人口重心の軌跡を見ると , 特に「 20~24 歳」 前後での移動量が最も 大きいこと が各区で共通し ており , やはり 高校・ 大学の卒業あるいは就職にと もなう 人口移動が地域に与える影響が大きいこ と が分かった。 また, 地方創生の議論において, 東京への一極集中が批判さ れるこ と が多いが, その大きな理由の 1 つは東京の出生率が低いこ と である。 つまり , 出生率の低い地域に人口が流入するこ と が, 日本の人口減少に拍車をかけていると いう 議論である。 確かに東京都の出生率は低いが, 東京都は日本中の若者を引きつけ, そこ で配偶者のマッ チングを行い, 家族と し て千葉・埼玉・ 神奈川などの周辺県へ送り 出すと いう 機能を持っている。 福岡市も出生率が低いが, 九州においては, 日本における東京都と 同じ 機能を果たし ていると いえる。 すなわち, 九州一円から若者を集め, そこ で配偶者をみつけ, 結婚し 子供が生まれると 福岡都市圏に転居すると いう 人口移動の構図が観察さ れる。 東京都や福岡市の出生率が低いのは, 独身の若者が流入すると と も に, 子供を持つ世帯が流出するこ と が強く 影響し ていると 考えるこ と ができる。 こ のこと から は, 東京都あるいは福岡市は結婚市場と し て機能し ていると いえ, 少子化の解消に貢献し ている面もあると いえ, そのよう な地域に人口が集中するこ と が人口減少を加速さ せると しても , その効果は割り 引いて考える必要がある。 その一方で出生率の比較的高い北九州市の世帯類型別の転入出状況を確認すると , 東京都や福岡市のよう な明確な機能は確認できず, むしろ子育て世帯の受け入れ先と し ての可能性があると 思われる。 し かし ながら , 北九州都市圏の中心都市と し ての機能を高めると いう 観点から すると , 若者を引きつけ世帯を形成する機能の強化が期待さ れる。}, title = {少子高齢化社会における人口移動に関する研究}, year = {2018}, yomi = {タムラ, カズキ} }